防火扉のラッチの構造
防火扉のラッチの構造
防火扉は普段は開いて邪魔にならないようになっていますが、いざという時にすぐに利用できるようになっています。空いたままにしているのはラッチと呼ばれる機構によって、ドアを押さえているからです。誰でも簡単に使えるように、引っ張るだけで固定が解放されて閉めることができます。
防火扉を押さえているラッチは、バネによってツメが引っかかるような構造になっています。フックがついていて、そのフックを受ける側にいろいろな仕掛けが作られています。その中にフックが入るとバネで動くツメがあり、片持ちで稼働します。ツメがフックにかかると扉を動かないように保持することができます。とても重いので、かなり強いバネ力が必要です。一度扉を引くとツメが外れて、閉めることができます。ツメは何度でも使えるので、防災訓練などで扉を開けた時には、元に戻してしっかりと押し込むと同じように固定することができます。使わない時には勝手に動かないように保持できなければいけません。
防火扉のラッチは煙を感知する大切な装置で調整する
防火扉とはショッピングモールや大きな駅やビルなどの階段の近くにある扉で、火災が起きた時に閉鎖して火災の延焼やガスや煙が拡がるのを防ぐ扉です。
火が出た時に扉を閉鎖していると一時的に火や煙をせき止めることができるので、その間に消防へ通報して火災の被害を小さくする役割があるのです。
そして防火扉を作る時の決まりとして一定の区画に設置すること、対炎性のある素材で作られることなどが消防法で規定されています。
また大きな建物だと他の場所でおきた火災に気づかないことがあるので、建築基準法では建物を一定の広さごとに切り分け火を防ぐ性能がある壁を設置すると決められています。
この切り分けられた区画が防火区画といい大きな施設の階段のちかくに扉があるのは、炎や煙が階段から他の階へ一気に広がってしまうのを止めるためです。
それから火災が起きてから一定時間火をせき止めるには対炎性の素材を使用する必要があり、鉄製から鉄骨または鉄骨コンクリート、鉄とアミ入りガラスなどがあります。
そして防火扉のラッチとは煙を感知したときに自動的に防火戸を閉鎖させる為の装置のことを言い、防煙区画を形成する扉が必要な箇所には必ず設置されています
ラッチは建物の老朽化に伴い扉が開放されなかったり、動作しても元に戻らなかったりすることもあるのでその場合は調整したり交換する必要が出てきます。